仕組みの方針が固まったところで、いよいよ具体的な部品を選ぶ段階に入った。ここで最初にぶつかった壁は、実は技術的な難しさではなく、もっと単純な事実だった。

自分には、電子工作の経験が一切ない。

配線をつなぐ道具も、部品を基板にくっつける方法も、何一つ知らない状態からのスタートだった。

最初に出てきた「ハンダごて」という壁

部品を調べ始めると、多くの作例で「ハンダごて」という道具を使って部品同士をくっつける工程が出てきた。金属を高温で溶かして部品をつなぐ、あの工作でおなじみの道具である。

道具一式をそろえるだけで数千円から一万円ほどかかり、しかも扱いを間違えるとやけどや部品の故障につながる。何より、失敗した時にどこが原因か分からなくなりそうな不安があった。

「技術力の不足は、お金で解決する」

ここでAIと相談しながら決めたのが、一つの方針だった。

多少お金がかかっても、部品同士を挿し込むだけで組み立てられる仕組みを優先する。

世の中には、コネクタを挿すだけで部品同士がつながる「電子部品のシリーズ」がいくつかある。個別に部品を買って自分で配線するより割高にはなるが、失敗しにくく、組み立てにかかる時間も大幅に短くなる。

ハンダごてを買って技術を身につける代わりに、多少の追加費用でその手間そのものを避ける。この考え方が、その後の部品選びすべての土台になった。

自分だけでは、何が違うのか分からなかった話

正直に書いておきたいことがある。部品を選ぶ過程で、AIが提示してきた通信用の部品について、実際の販売ページを開いて見比べてみたことがあった。

けれど、正直なところ、何が合っていて何が間違っているのか、自分の目ではまったく判断がつかなかった。書いてある数字や言葉を読んでも、それが自分の作りたいものに合っているのかどうか、判断する知識がそもそもなかったのだ。

そこで、同じ疑問を、相談していたAI以外にも投げかけてみることにした。別の会社が作っているAIにも聞いてみたし、同じAIの中でも、普段とは別の種類のモデルに同じ質問をぶつけてみたりもした。

そうやって何度か聞き方や相手を変えているうちに、少しずつ「どうやらここが食い違っているらしい」ということが見えてきた。最終的には、実際の値段や電源の仕様について、思っていたものと違う部分があったことが分かり、正しい情報に直してもらった。

一つのAIに一度聞いて終わり、ではなく、分からないことは角度を変えて何度も聞いてみる。それを面倒がらずにできるかどうかが、AIをうまく使えるかどうかの分かれ目なのだと、この時に実感した。

バラバラの部品を、一つにまとめる

組み立てを進める中で、電源まわりだけがどうしても部品数が多く、配線の箇所も多いことに気づいた。充電のための部品、電圧を調整するための部品、電池を入れるための部品――それぞれを別々に用意し、ネジや配線でつなぐ必要があった。

ここでもう一度、AIと一緒に構成を見直した。結果として見つかったのが、これらの機能をひとまとめにした基板だった。電池を入れる場所、充電する差込口、必要な電気の形に変える部品まで、すべてが1枚の基板に収まっている。

これに切り替えたことで、電源まわりの作業は「電池を正しい向きで入れる」「ケーブルを挿す」の2つだけになった。部品の数を減らすことは、そのまま失敗する可能性を減らすことでもあるのだと分かった。

挿すだけで組み上がる仕組みへ

最終的に固まった組み立て方は、次のようなものだった。

  1. 電池を、電源基板の決まった向きに入れる
  2. 太陽光パネルのケーブルを、電源基板の差込口に挿す
  3. 電源基板とカメラを、ケーブルでつなぐ
  4. カメラと通信用の部品を、専用のケーブルでつなぐ
  5. アンテナをねじ込む
  6. 通信用のカードを挿す

ハンダごても、電圧を測る道具も、結局一つも買わずに済んだ。

次回は、この方針で選んだ部品一式と、実際にかかった費用をまとめて公開したい。そして、この一連のやり取りをきっかけに、このサイト自体を作ることになった経緯についても書いていきたい。